スーリャナマスカーラ
呼吸と動きをシンクロさせながら、いくつかのアーサナ(ポーズ)を行うと、
自律神経が整い、血行が促進され、筋肉がほぐれ、確かに気が巡る感覚を味わえるかと思います。
もし味わえないのなら、やり方を間違えている可能性がありますので、
長年実践をしている人に相談して、間違いを正してもらうのをお勧めします。
スーリャナマスカーラ(太陽礼拝)を初めに行い、まずはエネルギーのフローを作りながら、体に熱を作って、アーサナ(ポーズ)をするのをお勧めします。
車にエンジンをかけるのと同じ様に、このスーリャナマスカーラで、タパス(炎)の状態へと、自分を誘導していきます。
呼吸と動きのシンクロを一度味わてしまったら最後、残りの人生は、もうスーリャナマスカーラせずには入れなくなります。
アシュタンガヨガの実践で、フルヴィンヤサと聞いたことがあるかと思いますが、ポーズとポーズの間にスーリャナマスカーラを行う様に、サマスティティ(まっすぐ立つ)からポーズに移り、またサマスティティに戻ってくることをフルヴィンヤサと言います。
どこかのタイミングで、フルヴィンヤサにうんざりする時がありますが、
スーリャナマスカーラ(フルヴィンヤサ)やヴィンヤサを省いてしまっては、
タパス(炎)から遠のいてしまっています。
あるいは、呼吸と動きのシンクロの美しさにまだ気づけていない状態なのかもしれません。
スーリャナマスカーラが億劫な状態は、
簡単に例えるなら、生きることが大変すぎて、
本来の幸せやありがたみを忘れてしまっている状態に、非常に近いと思います。
絶対にこれをしないといけないという事ではなく、
このスーリャナマスカーラは重要であり、
ポーズとポーズとの間にうまく取り入れる事が出来れば、
とても心地良い気の巡りの状態を味わえるだけでなく、タパス(炎)の状態を培う事を実践しているのです。
タパスはサンスクリット語で、熱、炎と言った意味があり、
簡単に言えば、どんな誘惑、悪い癖をも、燃やす様な、
断固たる意思をもつ習慣を培うことです。タパスは苦行の事ですが、
決して辛いことを我慢する事を示唆しているのではなく、
習慣を変える炎(タパス)を燃やせば、素晴らしい感覚が待っているのだと思われます。
このスーリャナマスカーラ フルヴィンヤサ、ヴィンヤサにて呼吸と動きをシンクロさせる練習を行う事こそ、タパスの状態を経験できているのです。
もちろん、フィジカルな実践意外にも、私達はすでにタパスの状態にあるかもしれません。
家族の為に毎朝早い時間に起床して稼ぎに出かける。
これもまたタパスなのです。
非常にややこしいご説明になってしまいましたが、
スーリャナマスカーラ無しに、ハタヨーガの効果は得ようとしても、
それば難しい事なのではないのかなと、最近はそんなふうに思うのであります。
ドナホルマン先生の素晴らしい著書”Dancing the flame of life”では、
スーリャナマスカーラとアーサナのコンビネーションの事を、
”アサナの数珠”造語しています。
ネックレスをサンスクリット語でmalaと言います。
ネックレス(数珠)のパールをアーサナとするならば、
そのパール(アーサナ)にをつなげる紐こそが、スーリャナマスカーラなのです。
毎回のヨガのクラスでのスーリャナマスカーラ、
あるいは自主の練習において、このスーリャナマスカーラの理解があれば、
また違った素晴らしさに気づく事ができるのではないかと思います。
常に意識を持って、一つ一つの練習(その時間)を大切に出来ればいいなと思うのであります。
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スーリャナマスカーラ:太陽礼拝
アーサナ:ヨガのポーズ
アシュタンガヨガ:パタビジョイス氏が考案した、正に元祖ヴィンヤサヨガ。 (ヒマラヤの山中で長年修行を重ねた、ヨガレジェンド、ティルマライ クリシュナマチャリア氏より忠実に受け継がれたヨガと言っても過言ではない。)
ヴィンヤサ:呼吸と動きをシンクロさせるやり方
タパス:炎、熱、仏教の苦行
ハタヨーガ:陰と陽の対なるものを結合させる様な元祖ヨガ 肉体的アプローチにて体と心のバランスを整える科学
マーラ:ネックレス、数珠
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